面白さを投げた艦これ 一期
夢と希望が詰まっているおもちゃ箱をぐちゃぐちゃにしていった。
この作品はなんだったのだろうか。
いや、何がしたかったのだろうか。
12話まで見続けてきたが何一つわかることは無かった。
もし、11話までが面白かったのなら12話は盛り上がったのだと思う。
2期が続くことの喜びを感じたのだと思う。
ただなぁ、それまでが酷すぎた。
シリアスにするには余分が多く、キャラに注力するには意味不明が多かった。
色んなモノが不完全で不十分で各話が噛み合わないまま進んでいた。
やっぱり運命には抗えないんですね。
以下感想
◆謎
●一度も顔をみせない提督
提督の存在を曖昧にすることにどれだけの意味があるのか。
最後になって少しだけその意味があるかもしれない、という期待がある。
●人間に対する描写のなさ
徹底して人間が出てこないのが、この作品の不思議な所。
鎮守府が攻撃されたときも人の手ではなく、艦娘だけで全てが賄われていた。
直接戦闘にかかわらない部分まで兵器としての艦娘が使われる。
人間が居ない世界なのだろうか。
●沈んだ艦娘が深海化
如月ちゃんの轟沈には意味があったんだよ!やったね!
最後の方のカットで如月ちゃんの髪飾り(?)が浮かぶシーンがある。
あれが、轟沈した艦娘の行く末を暗示している、と取ることができる。
●歴史の修正力
二次創作ではもはやおなじみの「歴史の修正力」
世界が本来あるべき姿になそうとする運命のようなもの。
二次創作ならば原作の流れを追う事であり、今回の場合は艦隊としての運命であろう。
大鳳は矛盾のために差し込まれたのだろうか。
●如月は二度死ぬ
如月の轟沈が史実通りなのだとしたら、それが伏線だったのだろう。
無意味にかつ理不尽なままに彼女が沈むことによって「歴史の修正力」を示そうとした。
◆面白さを視聴者に投げた
ストーリーに織り込まれたギミックは確かにあったのだろう。
ただ、それができるほど普段が面白くなかった。
作品に何かを考えるほどの面白さを感じられなかった。
戦闘シーンはパッとしない。
キャラクターは宙吊りにされたまま。
シリアスが作品の中枢を貫いていない。
【この作品には何かがある】と思えなかった時点でこの作品は私の中で轟沈した。
ここでいうのは確信に近い感覚であり、「何かがあって欲しい」という願いではない。
不穏さや違和感といったものが作品の随所にちりばめられ、それが認識されていたのならば
それを頼りに最終話を読み解いていた人も増えていただろう。
現状では
【分からない文章を高尚だと思っている】としか取れない。
意味深にすれば素敵な作品になると思っているとしか、読み取れない。
そういう意味でこの作品は面白さを投げている。
作品としての面白さは欠片ほどしかなく、こちらが捻ってようやく面白さが生まれる。
ただ、この面白さは「自分で二次創作をする」のと同じだ。
作品セカイが面白いのではない。
そうすると、もはやコレは作品じゃない。
この場合、作品はただの道具だ。
ここにセカイはなく、艦これというカタチをとったおもちゃ箱だけがある。
僕らはその中から面白かったと思えるものだけを取り上げ、かちゃかちゃ動かすしかない。
箱の中に整然性などなく、シリアスもギャグもごったまぜで、箱のカタチのゴミだけがある。
良かった探しはできても、作品としてはもう終わっている。
轟沈してしまったこの箱は、視聴者に狙われるだけの深海棲艦として生きるしかない。
◆終わりに
散逸していてなんらまとまりのない作品であった。
最後の最後まで誰一人救うことなく艦これは終わりを迎えた。
いや、二期があるらしいのでまだ終わらせてもらえないらしい。
可愛そうに。まだ使われないといけないのか。
もしかすると、二期になれば上述した謎が解けるのかもしれない。
すごいすとーりぃがあるのかもしれない。
けれど、面白くなかった作品を探索するほど人は優しくない。
今更「実はすごい設定が隠れていて……」と言われても喜べない。
なんだかなぁ。
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