huzai’s blog

「ぼっちの生存戦略」とか「オタクの深化」とかそういうことについて考えています。

プラスティックメモリーズ 3話

 

感情が生じさせた涙は

時間を封じ込んだ水球

―完璧な涙

 

老化

「機能の低下」「老眼」「服を着れない」「何もないところで躓く」「濡れたまま出てくる」

「服を仕舞わない」「エラー、聞き取れませんでした」etc……

 

81920時間。

およそ94ヵ月。

――プラスティックメモリーズ公式サイトより

 

 

彼女はすでに、79920時間を過ごしている。

残されたのは2000時間(約83日)だ。

 

 

自身の残り時間に近づくほど「老化」するのだろうか。

彼女の在り方を観ているとそのような気がしてならない。

 

しかし、他の回収されるギフティアにはそのような兆候はあっただろうか。

アイラのように、ドジっ娘であっただろうか。

 

そうであったならば、それでいい。

だが、そうでなかったならば、彼女は特別か、異常な存在となる。

あるいは、もうすでに時間を超えかけてしまっているのか。

 

でも、寿命を過ぎると人格も記憶も壊れてしまう。

――プラスティックメモリーズ公式サイトより

 

 

彼女の事を見つめ続ける。

呼び方は変わっていないか、お茶はいつもと同じ味か、

彼女は、私を忘れてしまってはいないだろうか。

 

想い出

彼ら、彼女たちは、人と同じように、感じ、喜び、悲しみ、怯える存在。

――プラスティックメモリーズ公式サイトより

 

別れは、悲しい。

――プラスティックメモリーズ公式サイトより

 

 

彼女は「想い出」を作ることを忌避している。

それは、想い出を引き裂かれることの辛さを知っているから。

残されるモノの辛さを知っているから。

 

ターミナルサービスに所属しているから分かるのか、別の理由があるのか。

それはまだ分からない。

 

だが、それは少し不思議な話だ。

 

もし、あなたのそばにもギフティアがいるのなら。

彼との、彼女との、81920時間の想い出を、どうか――

忘れないで。おぼえていて。

――プラスティックメモリーズ公式サイトより

 

 

他のギフティアの事は忘れないでいてほしいという。

が、自分のことは忘れてしまえるように行動している。

 

カタチにすると減ることもあるけどさ、カタチにしないと憶えておけないじゃないか。

――昔読んだ東方二次創作 主人公

 

 

カタチとして残る「プレゼント」や「遊園地」を拒むのはこういう理由からだろう。

プレゼントをみれば、当時の事を思い出される。

遊園地をみれば、あの時の楽しさが思い出される。

 

彼女はそういうことをしてほしくないのかもしれない。

何も無いところに自分を探してほしくないのかもしれない。

 

だからこそ、彼女は「機械」のままでいようとする。

共に在る、想い出を共有する存在としてのギフティアではなく、機械であろうとする。

 

自由

俺は自由になりたいだけだ

――3話予告より

他者と関わらない選択を取ることは、「自由」であることと同義だ。

他者と関わることで得られる全てに背を向け、「自由」を謳歌する。

 

多分、彼は知っているのだろうな。

 

何を描くのか

初めは「モノと人」を描くのだと思っていた。

違う時間を生きる二人の恋愛でも描くのかと思っていた。

 

だが、今は分からない。

何を描くのか、よりも彼女のことが気になって仕方がない。

 

静かに考えながら次話を待つ。