huzai’s blog

「ぼっちの生存戦略」とか「オタクの深化」とかそういうことについて考えています。

ドロップフレーム/成家慎一郎 感想

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世界を貫くルールは「映画」である。
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いつから彼は、「エディター」と呼ばれたのだろうか。
彼女と彼はいつ出会ったのだろうか。
「アドリブ」は救いになるのかな。
なかったことにされるのかな…

未読の方は厳禁です。

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世界を貫くルール

まだ順番を書いてないんだっ…
どれがどの次のコマかなんてっ…
これじゃあわからないよっ…

1コマ1コマ見ると…ぜんぜん動いてないもんね…
――幼少期 潤之介 燈里

これが、この世界の現状であり、第一に辿りつく答えだ。

それは、仙台七夕祭りにて明らかになった。
彼は「今日は8月5日」と言っているが実際は「8月20日」である。
メールに記載されている日時を確認すればそのことがすぐに分かるだろう。

主人公は自分が体験している日にちを
撮影初日、二日目、三日目、四日目と表記している。
それゆえに、我々は彼の体験が8月何日であるのか分からない。

【実際の日時と彼の体感している日時は異なっていたとしても】


現状の解答はソレである。

上の言葉以外にも、
ラストシーンとScean2の順序が逆である事や、
主人公と希の噛み合わなかった会話とか。
そういうところからも、考える事はできる。


今の段階で言えるのは、
「日にち」がバラバラになってしまったということだ。
(Scene2では「8月5日」という表記があり、Scean4ラストには「8月4日」という表記がある)
もしかすると、コマレベルでズレテしまっている可能性もあるため、なんとも言えない。

ここから先については次の巻を待つしかないのだろう。
というわけで、以下には現状残されている疑問について書いておく。

疑問

・如月潤子
・「秘密の時間」は誰にも知られてはいけない
・もう、気がついたよね。の少女。(Scean2にも登場?)
・バラバラにされる/なるわけ。
・セカイをこんな風にしたのは誰か/何か。
・あのままでは世界が夢の世界にひきずりこまれるところでした
・そんなっ…そんなことはさせません!!
・「ドロップフレーム」っていって、1秒にするには余分なフレームがあって
 だからそのぶんははみ出して「落とす」…つまり、「なかったことにする」んだよ!
・6人目は存在するのか否か。


感想

いい塩梅で恋愛とシリアスとミステリーとホラーとコメディが混じっている。
この作品自体が映画である、みたいなメタ的錯覚を起こさせられる。

願わくば、ファンタジー以外の解答があったりすると嬉しい。
ドロップフレーム 1 (IDコミックス REXコミックス)