huzai’s blog

「ぼっちの生存戦略」とか「オタクの深化」とかそういうことについて考えています。

F5幸福論

そのボタンを押すだけで
ちょっとした幸福が得られる。
だから、僕らはそのボタンを押していた。

無駄な時間を省く素敵なエコシステム

読者にさえなってしまえば、その人がブログを更新するたびに
プッシュ通知を送ってくれるなんて素敵な機能がはてなにはついている。

自分好みの文章(コンテンツ)を書く人を見つけて読者になってしまえば、
「自動的に」私のもとへコンテンツが送られてくるようになる。

こういった「自動で好みのコンテンツを届ける機能」は少し前から流行っている。

RSSリーダー的なものはもちろんそうであるが、
SNS的なサイト(ツイッターとかFBとか)もそういう機能を内包している。
友達になった人が日記とかを更新するとそれらが目の前に現れる。

こういう自動化は我々がその作業にかけていた時間をなくしてくれる。
面白い人のブログに行っては更新ボタンを押すなんてことはしなくなるわけである。

これってとっても幸福なこと。
更新されていないブログを訪れるという「無駄」を省いて、
他の面白いものを探す時間を与えてくれる素敵なシステムなわけ。

その省かれた「無駄」な時間を使って、
新たに新しいコンテンツを探し求める……




だが、その果てにあったのはコンテンツの死だけだった。



F5幸福論

パチンコのように光と音で奴隷を作る必要もなくなり、
ただ「F5ボタン」を用意するだけで奴隷がつくれるようになった。
「探す」という手間を省いて、「コンテンツ」へ飛ばしてくれる「F5ボタン」。
そのボタンを押すだけで、彼は幸福を感じられる身体にさせられてしまった。

押し寄せる情報に飲み込まれ、彼は息苦しい幸福の中でコンテンツを刺殺する。