huzai’s blog

「ぼっちの生存戦略」とか「オタクの深化」とかそういうことについて考えています。

社畜だってコンテンツになる

社畜社畜。社会の畜生。
暦通りに働くことを余儀なくされ、
暦の外では静かに働くことを余儀なくされる存在。
触れられるものすべてが業務にさせられるそんな存在。
それが、それこそが社会の畜生たる、社畜なのである。

かつての人類は労働時間をステータスにしていたが、
今の人類は社畜すらもの萌えコンテンツ(死語)にしているのだ。

コンテンツ化される社畜

私が社畜がコンテンツにされているのをはじめてみたのは、これだと思っている。
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

2chのスレを本にするというあたりに当時は幾ばくかの香ばしさをかんじていたが、
このあたりで社畜もコンテンツになりうる可能性が出てきたのだと思っている。

似たような系列でいくと「なれる!SE」なんかもそうであろうか。
社畜であるという「体験」をベースにコンテンツが形成されている。
(小さい女の子が出てくるのでおすすめです。あくまでも小さいだけです)
なれる!SE (7) 目からうろこの?客先常駐術 (電撃文庫)

そして、WEBでコンテンツを配信することが一般的になってきたあたりで、
社畜のコンテンツ化はより加速していく。

有名どころでいえば、「いきのこれ!社畜ちゃん」などであろうか。
(おっぱいが大きい可愛い女の子が出てくるのでおすすめです)
いきのこれ! 社畜ちゃん (1) (電撃コミックスNEXT)

そのほかにも「いのりちゃんの残業日誌」や「社畜と幽霊」などの社畜関連の漫画はさがせば探すほどでてきます。

また、ツイッター方面に眼を向けると
少し前までは「めうちゃん」を社畜に仕立て上げて詰める話が人気だっためう!
もちろんめうちゃんに暴力を振るうだけのものも多かったですが、
一部ではキチンと仕事の中で詰められるめうちゃんや
労働時間のマジックを利用して働くめうちゃんの姿がよく見えていました。
やったね!めうちゃん!

最後に「小説家になろう」などのWEB小説ちほーに眼を向けると
数年前までは転生トラックに轢かれて転生するのは学生だったにも関わらず、
今では仕事中に過労死をするという社畜転生が増えているではありませんか!

・・・・・・このようなかたちでWEB方面から書籍に至るまで
社畜はみんなに消費されるコンテンツとして使用されるようになってきているのです。

僕らは漫画に幻想をみる

多くの日本人が共通している体験は「学生」である。
そこで行われる体験の大小はあれど多くの人が「あるある」といった体験を持っている。

そして、それと同じくらいに「社畜」という体験が共有化され始めている。
多くのコンテンツは学生の中の「××部」といった形で学生というレンズの中でピントを絞るものや
「学生×魔法」「社畜×異世界」などの一つだけの嘘を交えて広げていく作品が多いのである。
共通の体験を軸に「異界」を展開するのが従来のやり方であったのだ。
(それゆえに体験の軸が大きくブレる「大学生」は描かれにくい。
仮に描くとしても大学生という大枠ではなくその中のサークルなどが大半・・・・・・だと思う。)

そうした文脈がある中で、学生に変わる軸として社畜が評価され始めているわけである。
まぁだからなんだという話ではあるが。