12話 目に見える終末 プラスティックメモリーズ
違う時間を生きる君へ
◆想い出が埋まってく
「想い出」とは、本来積み重ねていくものである。
何でもない日を記念日にしてみたり、普通の出来事が二人の前では特別になったり、
そんな風にして、二人の間に想いでが積み重なっていく。
彼らも本当は同じである。
同じように時間を積み重ねて、想い出を積み重ねていくはずだった。
だが、彼女には終わりがある。
残り時間に対して、想い出を埋めていく
「終わり」想起させるタイトルだなぁ、と思います。
◆能力テストを繰り返す
頻繁に能力テストを繰り返す”価値”は存在しない。
◆最後の日を迎える前に動けなくなっちゃたら
それとなくフラグを建てていった。その終わりだけは認められないので。
そんな終わりをするならば、アイラがギフティアである必要などないので。
◆アイラに書類をみせる
断って欲しかったのだろうか。
◆逃げちゃおう
彼は本当に仕事をしていたのだろうか。
外側の出来事と一切向き合っていなかったのだろうな。
ワンダラーになった彼女の姿をみていながら、何も感じなかったのだろうな。
だから、こんなことが言えるんだ。
僕にも(人とギフティアを引き裂く)仕事をください、なんてさ。
逃げる事を考えていながら、引き裂こうだなんて……
◆大切な人といつかまた巡り会えますように
当然のことであるが、「巡り合える」ことはありえない。
彼女にとっての「祈り」のようなものなのだろう。
ありえないことをあってほしいと願う。
アイラらしい優しい祈りの言葉だ。
だが、心を揺さぶるようなものではない。
ターミナルサービスに所属している人間が吐ける言葉ではない。
第一、その言葉を他人が吐いていいものか。
◆終わりに
これまでに多くの要素が散りばめられてきた。
だが、その多くが拾われることなく、無視されている。
アイラは
①ギフティアとして終わる
②人間として終わる
どちらなのだろうな。
もし後者なのだとしたら、これまでのすべてはなかったことになる。
せめて最期だけは、”ギフティア”をちゃんと描いていて欲しい。