シンデレラガールズ 感想 「場」と「人」
私は××。
◆私の敵
私にとって「シンデレラガールズ」とは敵であった。
765プロとしての「アイドルマスター」は幕を引かれ、消費財としての「シンデレラガールズ」が形成される。
プロデューサーよりも上の立場から通達される無情な宣告。
アイドルとしての彼女は居なくなり、プロデューサーとしての生き方を決めつけられる。
私達にはどうすることもできない無情な宣告。
それを私は受け入れられるのか。
◆765プロ
ある、家族の話です。いつも一緒で、仲が良くて、誰かが転ぶと、すぐ手を伸ばして助け合う。そんな家族が、
765プロの面白いところは、キャラクターだけでなく、「場」としての魅力があることだ。
個々のキャラクターの魅力はもちろんある。
そしてそれと同じくらいに765プロとしての魅力がある。
ドラマCDにしても、漫画にしても、アニメにしても、SSにしても、
キャラクターと同じくらいに765プロが描かれている。
内側に「人」が居るだけでなく「場」がある。
ひどく曖昧な感覚かもしれないけれど、確かに「場」があるんだ。
まっすぐゴー!とか、ひだまりとか、フェケテリコとか、そういう時にも感じたソレ。
「誰か」と同じくらいに「場」を愛している。
私にとって765プロとは、アイドルマスターとはそういう存在だった。
◆場が欠落したシンデレラマスター
あの世界に「場」はあった。
ただし、それは小さな「場」だ。
僕らが妄想で作り上げるソレと変わらない、小さな小さな「場」。
アニマスの映画を思い出してほしい。
彼女たちと「765プロ」は家族になっただろうか。
私はなっていないと思う。
関係は確かにできているが、別の存在だ。
765プロと876プロが違うように、彼女たちと765プロは違う存在だった。
それと同じことが、デレマスでも起きていると感じていた。
各ユニットが描かれ、ユニットとしての「場」が形成されていった。
が、346プロとしての「場」はもちろん、シンデレラプロジェクトとしての「場」は形成されなかった。
彼女たちは纏まっている、が、「場」はできていない。
◆765の幻影に囚われて
ここまで「場」ということで話を進めてきた。
「場」が無いことが、346プロの問題であるとしてきた。
だが、「場」を感じられないのは、観る側にも問題がある。
私が765プロに場を感じたのは、触れてきた時間が長いから、ともいえる。
アニメで、ゲームで、漫画で、動画で、小説で、SSで。
多くのコンテンツに触れる中でそういう「場」が形成された。
キャラクターよりも、彼女たちが、そして765プロが、好きになっていった。
つまり、346プロに「場」を感じられないのは、触れている時間が短いからだ、とも考えられるわけだ。
あるいは、幻影に囚われ直視できていないか、だ。
◆765を忘れてみえる風景
346は765と異なり人数が膨大だ。
だから、「場」を形成することは難しい。
「場」を取っ払って見直してみると、これが面白い。
誰に注目しても「物語」が形成されているからだ。
蘭子でもいいし、アーニャでも、みくにゃんでも、だりーなでもいい。
未央でもいいし、新田さんでも、しぶりんでも、プロデューサーでもいい。
シンデレラプロジェクトに参加していたすべての人間に「物語」がある。
「物語」を見出すことができる。
それってとっても素敵なことなんだよな。
◆長い階段の一歩目
千川ちひろさんは言う。
お城へ続く階段はまだまだ長いですから。
―6話 千川ちひろ
高木社長は言う。
これからもまだまだ先の見えないトップアイドルプロデュースを目指そうではないか。
―THE IDOLM@STER MASTER ARTIST FINAL 高木社長
以前も書いたけれど、そういう事なんだよな。
彼女たちはアイドルとして歩き始めたばかりだ。
シンデレラプロジェクトとして稼働し始めたばかりだ。
にもかかわらず、私は765の幻影をそこに重ねていた。
それが多分、間違いだったのだ。
彼女たちに魅力を感じていながら、私は「場」を見出さなかった。
「場」としての未熟さも、「アイドル」としての未熟さも彼女たちの魅力だった。
「アイマス」が好きになった時もそうだった、一緒に作り上げるあの感覚が765プロを好きにさせた。
そうだというのに私はその過程を忘れていた。
私はいつの間にか、
プロデューサーではなくお客様になっていたんだな。
◆シンデレラガールズ 13話
そういうことに気づかせてくれたのが、13話だった。
私は、ファンレターを読む本田未央を観たときに、涙をこらえることができなかった。
どうしてそのタイミングだったのかは分からない。
けれど、その時に初めてキチンと彼女たちを観る事ができたのだと思った。
彼女たちはどうなっていくのだろう。
どんなアイドルになるのだろう。
そんな想いが尽きない。
次に、彼女達と会えるのが楽しみだ。
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