huzai’s blog

「ぼっちの生存戦略」とか「オタクの深化」とかそういうことについて考えています。

新入社員は天然のピエロ

 

 

踊っているのでないのなら

踊らされているのだろうさ

―狐と踊れ 神林長平

 

 

 

狐と踊れ (ハヤカワ文庫JA)

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狐と踊れ (ハヤカワ文庫 JA 142)

狐と踊れ (ハヤカワ文庫 JA 142)

 

 

新入社員の皆様は仕事に慣れ始めたころでしょうか。

同期の友達ができたころでしょうか。

まぁ、そんなことはどうでもよいのですが。

 

「新しい」という価値

というわけで、「新入社員」と「コンテンツ」で書いてみました。

 

◆「新しい」という価値

「新しい」というだけで「価値」を与えてもらえることがある。

 

「新しい」を色々な言葉に置き換えてみると、それがわかるだろう。

 

例えば表題に挙げた「新入社員」がいい例だ。

まだ学生の場合は、「新入○○」で考えると良い。部員でも、ゼミ生でもなんでも。

彼らは総じて「何も価値を所有していない」のである。

にも関わらず、もてはやされるのは何故だろうか。

 

新入社員の内は、ミスをしても許される場合がある。

新入社員ならば、小さな変化を認めてもらえることがある。

新入社員ならば、つまらないことでも笑ってもらうことができる。

 

ただ、それは「新しい」という理由だからだ。

電話応対に戸惑う様を「笑いごと」で済ませられるのも、それが理由だ。

名刺交換に手間取っても「若いから」で済ませられるのも、それが理由だ。

たいしたことはない学習の成果を「素晴らしい」というのも、それが理由だ。

 

「新しさ」を免罪符に、彼らは多くの「失敗」を許される。(そうでない場合もある)

「新しさ」を理由に、彼らは多くのことを「承認」してもらえる。(そうでない……)

 

その在り方は、俗にいう「ピエロ」に近いのかなって思ったりします。

馬鹿なことをやって「認識」してもらえる。

 

 

 

◆ピエロでは居続けられない。

両手は使わないんじゃなかったけ?

…サービス期間は終了したのさ。

ドラゴンボール

 

 

ただ、ある種の無敵状態に甘んじていると、唐突なその終わりに苦しめられる。

スターを取ったマリオのように。

 

だから、ピエロ(無敵状態)であるのを忘れてはならないのではないかと思う。

「若いから」で許されていたのが、「罵声」に変わる日はそう遠くないかもしれない。

 

だからといって、ピエロ状態でビクビク過ごす必要は無い。

マリオのように残機を稼いだり、パワーアップアイテムを取ったりしないと、先のステージで積むことになるから。

 

躍らせてもらえるうちに

踊っておかなければ

糸が無くなった時

動けなくなる

 

◆コンテンツは燃えやすいほど良い

「新しさ」の価値はコンテンツでも同様に評価されている。

 

コンテンツの燃え方が最近変わってきている。

急激に燃やされて、灰になっていくコンテンツが増えてきた。

以前のように「熱が付く」のではなく、「燃やす」ようにコンテンツが扱われる。

「感情」よりも先に「場」が作られ、「感情」に火がつく前に、コンテンツは消えてゆく。

 

 

 

全てのコンテンツが人間という「熱量」に晒されるなか

その暴力的な熱量に耐えられるのは、「古いコンテンツ」だけかもしれない。

◆終わりに

本当は、もてはやされては消えていく「子役」で書こうと思っていた。

あれだけ可愛い可愛いともてはやされていたのに、

別の「新しさ」に消えてゆく存在はそうないだろう。

 

コンテンツでも同様に、「新しさ」は評価される。

が、コンテンツもやはり「新しさ」だけでは「持続力」がない。

最近増えている「食事系」の漫画もそうだが、燃やされて終わってしまう気がしてならない。

 

コンテンツが育まれる、っていうのはどういう感じなのだろうな。